このごろ - 07

大きな矢印(ハートつきのやつ)/驕らず自惚れる/モデルとサンプル
原百々子 2025.04.15
誰でも

こんばんは。原百々子です。
わたしは相変わらずですが、異動だなんだで新しい暮らしのひとと関わることが増えてきました。人との関係に一喜一憂しがちな今日このごろです。

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大きな矢印(ハートつきのやつ)

── 人と関係を築くには互いの努力が必要である。
そう教えてくれたのはBL漫画でした(ビジネス書やエッセイでないのもまた……)。

このごろ、気になるのは、新しく出会ったひとではなく、既に仲の深い友人との関係です。互いに大きな矢印(ハートつきのやつ)を向けているからこそ、「大きすぎないか」「向ける/向けられるのがつらくなる日が来たらどうしよう」と不安になります。でも、わたしは(そう、わたしは)不安になっておくべきだと思います。すこし前まで、不安は脅威でした。いまは俯瞰のチャンスと捉えています。不安だからこそ、相手を思いやるきもちが生まれるし、じぶんがしんどくならないように加減もできるかなって。

たしかに過敏になりすぎているところもあります。約束して休日に会ってくれるのだから、ちょっとやそっとのことで嫌われない。もうすこし自惚れようと思います。

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驕らず自惚れる

仕事でミスをしました。仕事のことなので詳しくは書けないのですが、故障の危機と紛失の危機がありました(特別なミスではなくうちの職場ではよくあることです)。どちらの危機も、壊れず・なくさずでした。上司に謝ったところ、「まあ、壊れんかったらええねん」「どこでもいいから、見つかったらそれでええねん」と返ってきました。
さらっと流せる姿勢がかっこいい。わたしもそういうひとになろうと思いました。

なろうと思った翌日。調剤薬局で薬剤師さんの杜撰な対応が気に入らず、こころのなかで悪態をついて帰りました。「とりあえず薬をもらえたからええねん」とは思えませんでした。ほど遠いですね。

じぶんを棚に上げるようですが、「ええねん」と言われる側の誠実さも必要だと思います。これも「互いの努力」ですよね。どちらかが努力をやめたり、やめざるを得ない状況になると、付き合いはうまくいかない。わたしみたいに言語化してじぶんをふりかえりたいひともいれば、わたしの上司みたいにさらっと思いやれるひともいるのでしょう。「努力」と書くとたいそうなものに思えますが、つまるところ、驕っていると疲れてくるよってことです。

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モデルとサンプル

たしかに空腹なのに何を食べたいかわからない。往々にして落ちこんでいるときです。だらだらとSNSを見ていたら、回復しました。というのも。

なんて思えたわけです。誰かにシンパシーを感じられる。誰かに固定観念を覆してもらえる。SNSのすきなところです。他者をモデルにすること・他者のモデルになれることは稀ですが、他者をサンプルにすること・他者のサンプルになることはままあると思います。

今回、わたしも「人間関係の悩み」というサンプルを出してみました。どう届くのかわかりませんが、じぶん以外の人間も、人間くさいとわかれば、わたしはちょっとだけ心が軽くなります。

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メルマガは作品として書いているわけでなないので、文章と絵をかなり自由に混ぜられておもしろいです。やはり、作品は文章だけで理解してもらえるものを書きたいと思うのです。自由だから今回も書きすぎました。お供にしていたふわっふわのパンケーキの写真を添付して締めます。今週もともにがんばりましょう。

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